《いじめ》について考える  その1  何がいじめに走らせる?

最近いじめについてのご質問が増えてきました。そこで今回からいじめについて考えてみたいと思います。
今の学校では、 いじめや校内暴力、そして最近では学級崩壊といった問題が次から次へと起きています。
なぜこのような問題が起こってくるのでしょう。私なりにその原因をつぎのように考えています。

その第一に、自動車の普及があると思います。(こんなことを申し上げると自動車産業に携わっている方々には申し訳ありませんが)、私が子供のころは自動車をもっている家庭はごくわずかでした。
お医者さんとか、会社の経営者くらいで、とても高根の花でした。
それがいまでは、ほとんどの家庭で自動車が持てる時代になりました。
たしかに、今の世の中で自動車は生活に、かくことのできない大変便利な道具ですが、その便利さと引き換えに人の心を自己中心的なものに変えてしまったように思います。自動車の便利さが、自分勝手な人間をつくりだしてしまったと思えるのです。
このことが他人に対する思いやりの気持ちを知らず知らずのうちに奪ってしまったと思えてならないのです。その結果が他に対する「いじめ」という形で現れて来たと考えられるのです。

第二に、経済第一主義の考え方があげられると思います。
お金さえあればなんでも手に入る世の中になって、人々はより贅沢な暮らしを望むようになり、そのことが他人の生活を羨む結果をもたらしてしいると思います。
そういう大人たちの「ねたみ」の気持ちが知らず知らずのうちに、子供達をいじめに走らせているように思えるのです。

第三に、受験競争があげられると思います。
私が中学生だったころは、高校に進学できたのは2割程度でほとんどの仲間が就職して社会に出ていきました。
ところが今では、ほとんど100%近い進学率になってしまっています。このことが結果として子供達から他人への思いやりの気持ちを奪い、いじめの原因をつくっていると思うのです。

第四に学歴偏重の風潮が考えられます。
今の世の中には、「学歴劣等感」をもっている大人たちがあまりにも多すぎるような気がします。自分が「うだつ」があがらないのは「学歴」のためだと思っている親があまりにも多すぎると思います。そのことが子供達を受験戦争へとかりたて、さまざまな問題を引き起こしているように思えるのです。

第五にテレビの普及が考えられます。
テレビの普及が子供達を家のなかにとじこめ、子供同士の遊びの機会を無くしてしまったことは、このことを通して得られる友達に対する思いやりの気持ちを失わせている大きな原因ではないかと思います。

以上のほかに、いじめの原因として考えられる要因があると思いますが、要するに
「いじめ」は現代社会の病理現象ですから、いまの世の中が大きく変わらない限り、いじめを無くすことは非常に難しいのです。
次回も「いじめ」について考えてみたいと思います。

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